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退去費用・原状回復の相場と交渉術
払いすぎを防ぐ完全ガイド

最終更新: 2026年3月 | 執筆: ヤスクスム編集部
賃貸の退去費用(原状回復費)とは、借りていた部屋を返すときに請求されるクリーニング代・修繕費の総額で、1Kなら1.5〜5万円、1LDKなら7〜12万円が相場です。国土交通省のガイドラインでは通常損耗・経年劣化は大家負担と定められていますが、実際に敷金が全額返還されるケースはわずか12.2%。一方で、ガイドラインを根拠に交渉した人の80%以上が減額に成功しています。この記事では、ヤスクスムが上京者から受けた退去トラブルの相談事例をもとに、相場・内訳・交渉の具体的な手順をまとめました。

退去費用の相場一覧

退去費用は間取りが広くなるほど高くなりますが、敷金を払っている場合はそこから差し引かれるため、追加の持ち出しが発生するかどうかがポイントになります。

間取り退去費用の目安クリーニング代の目安敷金1ヶ月の場合
ワンルーム・1K1.5〜5万円2.5〜4万円差額が返金される可能性が高い
1DK・1LDK7〜12万円4〜6万円敷金でほぼ相殺。追加請求もありえる
2LDK10〜18万円5〜8万円敷金超過で数万円の追加請求が多い

敷金の返還率は平均42%にとどまっています。敷金ゼロの物件に住んでいた場合、退去時に全額を現金で請求されるため注意が必要です。

大家負担と借主負担の判断基準

国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が判断の軸になります。ここで押さえるべき原則は、経年劣化と通常損耗は大家が負担し、借主が負担するのは故意・過失による損傷だけということです。

損傷の内容負担者根拠
壁紙の日焼け・変色大家経年劣化に該当するため
画鋲・ピンの小さな穴大家通常の使用範囲のため
壁にネジ穴・大きな穴を開けた借主故意・過失に該当するため
タバコのヤニによる壁紙の汚損借主善管注意義務違反のため
フローリングの家具跡・へこみ大家通常の使用範囲のため
ペットによる傷や臭い借主故意・過失に該当するため
ハウスクリーニング特約なし→大家 / 特約あり→借主特約の有無で変わる
鍵交換大家(本来は次の入居者のため)特約で借主負担にされる場合あり

壁紙の減価償却を知っておく

退去費用の交渉で最も武器になるのが「減価償却」の考え方です。壁紙(クロス)の耐用年数は6年と定められており、入居年数に応じて借主の負担割合が下がっていきます。

入居年数壁紙の残存価値借主の負担割合
1年約83%張替え費用の83%
3年約50%張替え費用の50%
5年約17%張替え費用の17%
6年以上1円ほぼ0円(1円負担)

つまり6年以上住んだ部屋であれば、たとえ壁紙を汚していたとしても借主が負担する金額は実質1円です。3年住んだ場合でも、張り替え費用が3万円なら借主負担は1.5万円まで下がります。この計算を知らないまま全額を支払ってしまう人が非常に多いので、必ず確認してください。

よくあるぼったくりパターン

ヤスクスムに寄せられた退去トラブルの相談で多かったのが、以下の3パターンです。大手ポータルサイトでは「退去費用の相場」は載っていても、こうした具体的なぼったくりの手口までは踏み込んでいません。

パターン1:経年劣化を借主に請求する

日焼けによる壁紙の変色やフローリングの色あせは経年劣化であり、本来は大家負担です。にもかかわらず「汚れがひどいので」と借主に請求してくるケースがあります。見積書に「変色」「日焼け」「色あせ」という言葉があれば、経年劣化の可能性が高いと考えてよいでしょう。

パターン2:壁紙を全面張り替えして全額請求する

借主に過失がある場合でも、負担するのは損傷した箇所の修繕費だけです。1面の一部に傷がついたのに部屋全体の壁紙を張り替え、その全額を請求するのはガイドラインに反しています。見積書に「全面」「全室」と書かれていたら、損傷箇所だけの修繕費に限定してほしいと伝えましょう。

パターン3:入居前からあった傷を請求する

退去立ち会いのときに「この傷はあなたがつけたものですね?」と言われ、入居前からあった傷なのに請求されるケースもあります。入居時に部屋の状態を写真で記録していないと反論が難しくなるため、入居日に壁・床・水回りの写真を撮っておくことが最大の防御策です。

退去費用を減額する交渉の手順

交渉成功率80%以上というデータが示すとおり、正しい知識があれば退去費用は下げられます。以下の5ステップで進めてください。

ステップ1:見積書の内訳を請求する

「原状回復費 一式 ○万円」という見積書が届いたら、まず項目ごとの内訳を出してもらいましょう。一式で金額を提示してくる時点で、交渉の余地がある可能性が高いと言えます。

ステップ2:各項目をガイドラインと照合する

内訳が出たら、1つずつ国交省ガイドラインの基準と照らし合わせます。「経年劣化に該当する項目が含まれていませんか?」と質問するだけで、管理会社の対応が変わることも珍しくありません。

ステップ3:壁紙の減価償却を主張する

壁紙の張り替え費用が含まれていた場合、入居年数に応じた残存価値を計算して伝えましょう。「耐用年数6年で入居から○年なので、負担割合は○%ではないでしょうか」と具体的な数字で伝えると効果的です。

ステップ4:入居時の写真を提示する

入居時に撮影した写真があれば、「この傷は入居前から存在していました」と証拠をもとに反論できます。スマホで撮った写真であっても、日付データが残っていれば十分な証拠になります。

ステップ5:消費者ホットライン(188)に相談する

交渉が平行線になったら、消費者ホットライン「188」に電話してみてください。最寄りの消費生活センターにつながり、あっせん(管理会社との間に入って調整)をしてもらえます。金額が60万円以下であれば少額訴訟という手段もあり、弁護士なしで手続きが可能です。

契約時にチェックすべき退去関連の特約

退去費用のトラブルの大半は、契約書の「特約」が原因です。入居前の段階で以下の項目を確認しておけば、退去時に慌てずに済みます。

特約の内容チェックポイント
退去時クリーニング費用○万円を借主負担金額が明示されているか。「実費」とだけ書かれている場合は上限を確認する
壁紙張り替え費用を借主負担全面張替えか、汚損部分のみか。全面なら減価償却を確認
鍵交換費用を借主負担ガイドラインでは本来大家負担。金額は1.5〜2万円が相場
短期解約違約金(1年未満で家賃1ヶ月分等)転勤や急な引越しの可能性がある人は必ず確認

ヤスクスムでは契約前の段階で、こうした特約の内容を一緒に確認するサービスも行っています。「この特約、不利じゃないですか?」という質問だけでもLINEで受け付けているので、不安な方は気軽に送ってください。

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